はじめに

公明党広島県議会議員団の田川寿一でございます。
昨年に引続き、会派を代表して質問させていただきます。
日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によりますと、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業がマイナス4と、前回9月調査に比べ、6ポイント下落し、6月調査以来半年振りにマイナスとなりました。また、歴史的な円高や欧州債務危機による海外経済の減速、タイの洪水被害が響き、東日本大震災後の生産活動の復旧で、いったん持ち直していた景況感は、再び悪化に転じています。特に、輸出産業を中心に悪化が目立ち、3ヵ月後の予想ではさらに悪化するとの見込みであり、中小企業の景況感はさらに厳しいものとなっております。
また、この春の大学卒業予定者の就職内定率が、昨年12月1日現在で71・9%となり、前年同期比で3・1ポイントの増加にはなりましたが、それに次ぐ、過去二番目に低い値を記録し、若者の就職難は、未だに回復しているとは言えません。
公明党広島県議会議員団は、昨年の12月19日と本年の1月16日に、知事宛に、当初予算要望を行なったところであります。なかでも、昨今の厳しい雇用情勢や継続的な円高の影響から、経済・雇用対策は喫緊の課題と言えます。
来年は、「加速の年」と知事が銘打ったように、県民に広島県の前進が様々な面で実感できるような施策展開を進めていただきたいと考えます。
そこで、来年度以降に向けた、新たな意気込みについて、いくつか質問をいたしますので、知事の明快なご答弁をお願いいたします。そして、強いリーダーシップで、県民が、安心、安全に暮らせる広島県を実現していただけるよう要望し、質問に入ります。


1 来年度予算における福祉・介護等の対策に関する取組方針について

質問の1番目は、平成24年度当初予算編成の考え方についてであります。
湯ア知事が就任されて、任期の半分である2年が経過いたしました。最初の1年間は「仕込みと基盤づくりの年」として、「ひろしま未来チャレンジビジョン」など今後の政策推進の基本となる各種計画を策定され、2年目は、政策を実行し成果を上げる「実行の年」として、そして3年目は「目指す姿」の着実な実現に向けた取組を一段と加速するため、特に注力する重点施策への集中的な取組を進めると述べられております。
今回、平成24年度当初予算が、今次定例会に提案され、成果主義を唱えられる知事としては、この予算審議を経て、来年度、「目指す姿」への着実な実現に向けた取組を一段と加速するため、様々な政策を実行に移す中で、真価が問われることになると思います。
今、政府では、毎年1兆円も増え続ける社会保障費などの課題に対し、「社会保障と税の一体改革」について議論がされており、17日には消費税増税を柱とした素案が閣議決定し、3月末までに法案を国会に提出する予定でありますが、国民が安心できる社会保障制度の全体像を提示できている状況ではありません。
わが党は、一昨年末に「新しい福祉社会ビジョン」として、社会保障のトータルビジョンを示しています。その中身は、過去に積み上げてきた社会保障制度の見直しと、社会に新しく発生してきた様々な病理的側面への対応を加え、福祉を広義に解釈して「新しい福祉」と名づけ、総合的に検討すべきと主張しています。
うつ病などの心の病や、社会問題化しているDVや児童虐待、子どもの家庭内暴力や不登校、ひきこもり、高齢者の孤独死、貧困や不安定雇用など、社会や家庭をめぐる新しい課題が深刻さを増しております。これも「新しい福祉」として対策を講じるよう訴えています。これらの解決には、「孤立社会」から「支え合い」の社会をめざして、あらゆる仕組みを改革する以外にないと考えます。
今回の当初予算編成の基本的考え方では、「特に注力すべき重点施策」について、昨年度に引続き、「人づくり」と「新たな経済成長」を重点分野としてあげております。このうち、「人づくり」においては、女性の社会参画の促進、グローバル人材の育成・確保、将来の広島県を支える人材の育成などに、対前年の1・8倍の約35億円を、また、「新たな経済成長」においては、新たな成長産業の育成、アジア市場への参入・獲得、イノベーション力の徹底強化などを掲げ、対前年の1・2倍の約41億円を新規重点事業等の実施のため財源を重点配分するなど、積極的な予算計上がされております。
しかしながら、先ほどから申し上げているとおり、わが公明党が主張している福祉や介護の充実といった「安心な暮らしづくり」については、前年並みで、また、「豊かな地域づくり」といった分野については、対前年2倍とはなっておりますが、もともと規模が僅少であることから、比較的さびしい予算となっていると感じざるを得ません。
「新たな経済成長」のための産業振興や「人づくり」のためのグローバル人材の育成・確保なども重要なことではありますが、県民が健康で安心して暮らせるセーフティーネット対策であるとか、積極的な福祉・介護政策などの充実が大前提であります。
わが公明党としては、県民生活のセーフティーネットをより確かなものにするための政策を充実させることも忘れてはならないと主張したいと思います。
そこで、県では、来年度予算において、地域医療体制の確保や「がん対策日本一」の実現にむけた取組を強化されていますが、福祉・介護などに関する今回の当初予算編成の基本的考え方として、先ほど申し上げた、心の病、DV、ひきこもり、高齢者対策などへの対策について、どのような方針で取組まれようとしているのか、知事のご所見をお伺います。

(知事答弁)
来年度当初予算編成におきましては,「ひろしま未来チャレンジビジョン」に掲げております「支援や介護が必要な人が,地域で安心して生活できる環境の整備」に向けまして,福祉・介護等に関する新規重点事業等について,前年度に比べ約1.8倍に増額をし,積極的に取り組むこととしているところでございます。
具体的には,心の病につきましては,うつ病等に対する認知行動療法の普及や「自殺対策情報センター」の新設,配偶者からの暴力いわゆるDVにつきましては,本年度策定した「DV防止基本計画」に基づく自立支援や普及啓発等の事業の推進,ひきこもりにつきましては,相談支援の拠点となる「ひきこもり地域支援センター」の新設,高齢者対策につきましては,現在策定中の高齢者プランに基づき,医療や介護の充実を図るとともに,元気な高齢者の社会参画を促進することなど,各種の施策を,体系的に推進することとしております。
また,県社会福祉協議会に「安心サポートセンターかけはし」を新たに設置して,住民同士の声かけ,民生委員を含めた地域の様々な主体が連携・協働しながら実施する共助の場づくりなどの,見守りから日常生活の支援まで様々なサービスを適切に利用できる 体制整備も行うこととしております。
県といたしましては,福祉・介護等の充実・強化を図り,全ての県民が安心して生活し,幸せを実感できる環境づくりを,積極的に推進して参りたいと考えております。


2 国際平和に向けた取組について

(1)広島市と連携した「国際平和拠点ひろしま構想」の推進について
次に「国際平和拠点ひろしま構想」の推進についてお伺いします。
昨年11月、湯ア知事は、国連のパン・ギムン事務総長と会談した折、わが会派も提唱し、広島市の松井市長が進める2015年の核兵器不拡散条約運用検討会議の広島招致について、協力を要請されました。ハードルは高いと思いますが、今後とも実現に向けたご支援をお願いいたします。
本県は、人類初の原爆による破壊から復興した県として、平和への取り組みを推進し、世界の平和実現のための拠点として、国際平和に貢献していく使命があると考えております。こうした中、県では、昨年、国際平和の実現に向けた具体的なプロセスの提言や、本県の平和貢献の方向性、主な取り組みなどを取りまとめた「国際平和拠点ひろしま構想」を策定するとともに、平和のメッセージを強く発信し、国際平和貢献活動の支援につなげていく「ひろしま平和発信コンサート推進事業」を進めています。
これまでは、市が核兵器廃絶の取組の先頭に立ち、県は市とともに被ばく医療支援などを担ってきました。ところが、この「すみわけ」から「連携」へと平和行政の姿勢を転換し、「被爆地ひろしま」として、共に核兵器廃絶をめざしていこうとされています。このことは、広島の新しい平和行政の出発として評価できると思います。24年度は、国際平和拠点ひろしま構想推進事業において、先月設置された事務レベルの連絡会議を活用し、3つの事業について広島市と連携して取り組むこととしています。今後はより強い連携の下、広島発の国際平和への取組を強化していただきたいと思います。
市との連携には、平和行政への理念の共有が大事であります。しかし、残念ながら、国際平和拠点ひろしま構想には、広島・長崎両市長が進める核兵器禁止条約の早期交渉の実現には触れられていません。核をめぐる国際情勢や日本の安全保障を米国の「核の傘」に委ねてきた現実を踏まえた行動提案だからでしょうか。しかし、抑止力に依存する世界の現実に迎合していると批判する市民の声もあります。被爆者の平均年齢が80歳に近付く中で、その強い思いは、一日も早い核兵器廃絶です。被爆地の平和行政は、こうした被爆者や市民の思いを反映し、支えられてこそ力を発揮するのです。有識者に策定を依頼する前に市と連携し、理念の共有化ができなかったことが残念です。
今後、構想を進めるには、これまで以上に県と市のトップ同士の意思疎通が鍵を握ると思います。また、この構想が世界の注目を集めるためには、求心力を持つ提案と行動が欠かせません。その前提は被爆地広島の機運を高め、県と市が連携をして息の長い取り組みとすることです。そうした観点から構想を肉付けし、実現に向けたロードマップを示す必要があります。
そこで、この構想の肉付けをするなど、今後、「国際平和拠点ひろしま構想」の推進にあたり、核廃絶という共通の目標に向けて、広島市との連携をどのように進めていこうとされるのか、例えば、幅広い層の人、被爆者、市民、経済人、平和運動家などが集い、知恵を出し合う場を県と市が共同して設けてはどうかと考えますが、知事のご所見を伺います。

(知事答弁)
「国際平和拠点ひろしま構想」の推進につきましては,世界中から人々が集い,核兵器廃絶と平和構築のための幅広い活動が活発に行われる拠点の実現を目指して,構想に基づくプロジェクトの推進計画の策定等,具体化を進めていくこととしております。
具体化にあたりましては,県及び広島市共通の目標である,核兵器のない平和な国際社会を実現していくため,被爆地の自治体である県及び広島市の連携強化が大変重要であると考えております。
このため,松井広島市長との合意に基づき,先月,構想の推進に係る県と広島市の事務連絡会議を立ち上げて,24年度から,平和に関する研究機関等の連携体制の強化や国際平和フォーラムの開催,広島の復興プロセスの研究・発信に,共に取り組むこととしております。
今後は,広島市との連携事業における,研究機関関係者やフォーラムの参加者をはじめ,様々な機会を通して,ご意見をいただくとともに,連絡会議を通じて,広島市との連携を密にしながら,国際平和拠点ひろしま構想の具体化を進めて参りたいと考えております。

(2)ひろしま平和発信コンサート推進事業について
次に、ひろしま平和発信コンサート推進事業についてお伺いします。
ひろしま平和発信コンサートは、広島から世界へ平和のメッセージを強く発信することができることから、非常に意味のあるものと考えます。平成25年8月の開催を予定していることから、このコンサートの中身や開催までのスケジュールなどの詳細は、これから詰めていくことになるのかもしれませんが、せっかく実施するのであれば、単なるイベントで終わらないようにするため、この事業の目的にもあるように、県だけではなく、市や関係団体など県民総ぐるみで実施していただきたいと思います。
そのためには、県がイニシアティブをとって、広島から世界へ平和のメッセージを強く発信するコンサートであるとのコンセプトを、改めて明確に示すとともに、子どもをはじめ、県内の多くの合唱団や文化団体等に発表の場を作るなど、県民参加型となるように検討していただきたいのですが、ひろしま平和発信コンサート推進事業を実施するに当たり、知事の意気込みをお伺いします。

(知事答弁)
ひろしま平和発信コンサートは,世界共通の言語である音楽によって広島から世界へ平和のメッセージを強く発信し,平和貢献活動を持続的に支援できる仕組を構築することを目的として開催するものでございます。
 このコンサートの具体化に当たっては,昨年10月に,県内の全市町をはじめ地元経済界やマスコミ,文化団体等からなる実行委員会を設置をいたしまして,県民総ぐるみの推進体制を整えたところでございます。
 こうした体制のもとで,
・ 来年度は,機運の醸成に向けて,プレ・イベントや県内の子ども合唱団などによる音楽祭,全市町での巡回コンサート等を開催をして,
・ 25年度には,世界的な著名アーティストによるメインコンサートのほか,地元の文化団体の参加を得て,合唱や吹奏楽,伝統芸能など,地域の文化活動の発信・交流の場となる県民参加型のイベントも実施することとしております。
 私といたしましては,
・ 県民総ぐるみで,こうした取組を積極的に進めながら,
・ 多くの方々の賛同を得て,強い思いをもって,世界規模の平和コンサートを成功に導き,
・ 国際平和拠点ひろしま構想の実現に繋げるとともに,世界平和に貢献する新しい広島の姿を国内外に強く示すことができるよう,
全力を尽くして参りたいと考えております。


3 新地方公会計制度の本県独自モデルの検討について

次に、新地方公会計制度について伺います。
本県においては、より分かりやすい財務情報を提供し、県民への説明責任を果たすとともに、行政改革のさらなる推進を図るため、平成20年度決算から新地方公会計制度に基づく財務書類を作成・公表しています。また、試行的ではありますが、平成21年度決算ベースで、受益者負担率などの財務指標の状況や事業別行政コスト計算書を作成、開示しています。
このような財務書類整備の目的については、平成22年3月に公表された「地方公共団体における財務書類の活用と公表について」において、@財務情報の分かりやすい開示をすることとした説明責任の履行、A資産・債務管理や費用管理などの内部管理の強化といった財政の効率化・適正化の二つがあげられております。
その各々の目的の進捗状況については、平成21年度版財務書類を作成済みとした46都道府県の、その財務書類活用状況として、複数回答がありますが、住民等に対する財政状況の説明が63.0%、議会に対する財政状況の説明が45.7%、財政状況の分析が63.0%と、説明責任の履行については比較的利用されていますが、財政運営上の目標設定・方向性の検討が4.3%、予算編成の参考資料が2.2%、資産管理への活用が4.3%と、内部管理への活用については非常に少なく、行政評価との連携、施策の見直し、研修等を通じた職員の意識改革については、0%となっております。今後は、財務書類をどのように、資産管理や予算編成の参考資料としていくかが実務上の課題とされております。
この点について、総務省の二つのモデルでは限界があるとして、昨年2月定例会において、「会計は報告責任を全うする手段として、総務省方式に準拠すればよしとするのではなく、もっと積極的に、今後の経営管理のツールとして活用するため、東京都方式を参考に「広島県方式」を確立するぐらいの考えが必要ではないか」との質問をしたところ、「自治体の多くが採用し、類似団体との比較が可能となることなどを考慮し、当面、「総務省方式改訂モデル」を採用しているが、平成23年度決算から、より民間の決算に近づけるよう、発生主義会計の導入を可能とするシステムを導入するとともに、今後は、事業の費用対効果や施策への寄与度などを明確にすることにより、効率的、戦略的な行財政運営に活用して参りたい」と答弁され、23年度決算から総務省基準モデルへの移行を予定されているとのことであります。
今回、「施策マネジメントの実施状況について」において、事業見直しの状況について公表されておりますが、この見直しに、そのままずばり活用することは困難なのかもしれませんが、先ほどの新公会計基準による分析結果が、行財政運営など経営管理のツールとして、効率的、戦略的に活用されているのかどうかが、私には見えてこないのであります。
確かに、経年比較、類似団体比較をするためにも公会計の標準化が必要であります。そこで、総務省は、基準モデルと改訂モデルの2種類のモデルを提示していますが、これに限定されるものではなく、このほかにも東京都方式と大阪府方式などがあります。東京都方式は比較的進んでおり、新公会計制度導入を検討している自治体に向けて、相談窓口専用ダイヤルを開設し、これまで蓄積したノウハウや情報の提供をしております。一方、大阪府のほうは、対応した事業ごとの財政状態や経営成績を正確に示すツールとし、それぞれのセクションが自治体経営の視点による財務マネジメントを実践し、持続可能で安定的な財政運営を堅持するため、人事交流など東京都の支援を仰いで、平成23年度から、これまでの改訂モデルから、基準モデルではなく大阪府独自の方式に移行することとしています。
さらに、近年、国際化やグローバル化が急速に進展していることからも、日本の会計基準も今後、国際化への対応も検討しなければなりません。
こうした状況の中で、新しい公会計制度を導入するとした場合、各都道府県により、稼動しているシステムが異なっているため、統一的なパッケージシステムの開発が課題でありますが、ホームページのQ&Aによりますと、総務省が公会計の統一的なパッケージシステムを開発する予定はなく、既存の財務会計システムの改修に必要な財政負担については、普通交付税により財政措置されると回答をしております。
このように、各自治体の自己責任で公会計基準を選択するというのであれば、国が示しているから、総務省のどちらかのモデルを選択し、説明責任の履行のためだけに財務書類を作成することに多大な時間と費用をかけるというのは、非合理的ではないでしょうか。
そこで、会計基準の移行については、短期的ではなく、中、長期的な戦略として、説明責任の履行にとどまらず、今後の内部管理のツールとして、積極的に活用できるようなものとするため、東京都方式や大阪府方式を参考に、また、東京都や大阪府の支援を仰ぐなどして、本県独自のモデルを確立するぐらいの心構えが必要であると考えますが、知事のご所見を伺います。

(総務局長答弁)
新地方公会計制度に基づく財務書類につきましては,本県では,現在,「総務省方式改訂モデル」により作成しているところですが,23年度決算から,発生主義会計に基づき,より精度の高い財務書類の作成が可能となる総務省「基準モデル」へ移行するため,現在,資産の時価評価や財務システムの整備などを進めているところでございます。
これらの整備と合わせまして,作成した財務書類を,効率的,戦略的な行財政運営に活用することとしており,今年度から,本県独自の取組といたしまして,財務書類の1つである行政コスト計算書をベースに,管理会計の一環として事業別行政コスト計算書を試行的に導入いたしました。
具体的には,重点分野の1つである「新たな経済成長」分野に関係する事業を中心に,人件費を含む事業毎の総コストを明らかにすることにより,費用対効果を踏まえた事業の実施方法の見直しを行うなど,平成24年度当初予算案に反映させたところでございます。
引き続き,総務省方式による財務書類の作成に加えまして,事業別行政コスト計算書の対象範囲を拡大することなどによりまして,より効率的,戦略的な行財政運営に活用していくとともに,こうした観点から,財務書類のあり方についても,検討して参りたいと考えております。


4 広島西飛行場の跡地利用について

(1)広島西飛行場の跡地利用について
次に、広島西飛行場の跡地利用についてお伺いします。
昨年5月、湯ア知事は、松井広島市長とのトップ会談で、広島西飛行場を廃港にし、ヘリポート化することで合意しました。これに伴い、ヘリポート用地として利用されない跡地が約40ヘクタール発生します。この跡地は、広島都市圏の中枢性向上や活性化に重要な役割を担うもので、その利用策が、今後の焦点になることは間違いありません。地域間競争が激化する中、跡地利用策をスムーズに決めなければ、広島都市圏の地盤沈下にもつながりかねず、早急な検討が必要であります。
広島市では、既に昨年8月中旬、内部の検討会議を設置し、開発の基本コンセプトや求められる機能などについての検討をはじめ、庁内案を取りまとめた後、県との本格的な協議に入り、来年度末には「跡地利用ビジョン」を策定することになっています。
こうした中、松井市長とのトップ会談が行われて、広島西飛行場の跡地利用について議論されています。私は、本来、この土地の所有者である県が、その利活用策を主体となって考えていくことが必要であると考えますが、これまで、何人かの方が同様の質問をされ、その際、いずれも、跡地の利用はまちづくりの主体である広島市の意向を尊重する必要があり、県としては双方の活性化や発展に繋がるように広域的な立場から検討していくとの答弁がなされています。これまでの状況を見ておりますと、どう見ても、広島市が主体となって検討され、協議と称して、県はそれを事後承認させられているのではないかとさえ、感じております。そのため、このような課題は、広島市だけに任せず、しっかりと県としても提案をしていただきたいと思います。
そこで、私どもの提案ですが、今、注目を集め、開発が全国に広がっている、環境技術やITを駆使して、街全体でエネルギーを効率的に利用する「スマートシティー」構想です。エネルギー問題の関心の高まりが背景にあり、民間調査では計画段階を含めて20以上のプロジェクトが進行しています。東日本大震災で、液状化被害を受けた千葉県浦安市では、昨年11月、地元にスマートシティーを建設すると発表しました。被災地などの都市計画モデルとしても注目されています。
スマートシティーでは、住宅やオフィスに省エネ機器を設置することや、太陽光などの自然エネルギーも活用することにより、節電や二酸化炭素の排出削減を図ることができます。自治体としては地元の活性化につながり、参加企業としては技術開発や自社製品のPRにつながるメリットがあります。また、県が進めて実現した広島西飛行場隣接のマリーナホップは、今、集客率が激減しており、この回復も期待できます。
跡地の利用はまちづくりの主体である広島市の意向を尊重することも重要でありますが、土地の所有者である県が、その利活用策を主体となって考えていくことを、しっかりと県民にアピールするとともに、十分な説明をすることも重要であると考えます。
そこで、広島西飛行場の跡地利用について、松井市長とのトップ会談での議論も踏まえて、今後どのように検討を進めていこうと考えているのか、知事のご所見を伺います。

(知事答弁)
広島西飛行場跡地の利活用につきましては住民のニーズや地域の実情を踏まえるなど,広く市民の理解・協力を得ることが必要不可欠であることから,まちづくりの主体である広島市の意向を尊重しながら,取り組んでいくことが重要と認識しております。
一方,当跡地の大部分を所有する県といたしましても,跡地の利活用が県全体の発展に繋がるよう,広域的な立場から,主体的に検討する必要があると考えております。
こうした中で,先の広島市長との会談において,広島都市圏の更なる活性化を図るため,都市の魅力づくりや中枢拠点性の強化に向けた連携・協力について,意見交換を行ったところであり,その具体的な取組として,来年度,県・市共同で所要の予算措置と協議会の設置・運営を行い,跡地の利活用のためのビジョンを策定することについて合意をいたしました。
来年度,この協議会において まずは,基本的な開発コンセプトや公共施設,産業,住宅など主要な導入機能の検討から着手することとしており,御提案のスマートシティも含め,有識者や議会などの意見も幅広く伺いながら,県全体に効果が波及するようなビジョンの策定に取り組んで参ります。

(2)再生可能エネルギーの創出拠点のための政策推進について(要望)
福島第1原子力発電所事故で大量の放射性物質が放出され、新たに多くのヒバクシャが出現しました。被爆の苦しみを知る「ヒロシマ」は、「フクシマ」が直面する被曝の問題に向き合わなければなりません。私たちには、原子力発電による核エネルギー利用の危険に十分声をあげてこなかった反省もあります。
「人類と核は共存できない」、これが被爆者の声です。原子力発電依存を脱却して再生可能エネルギーの創出へと進むことは、新たなヒバクシャを生まないためのヒロシマにとっての命題です。放射線被曝の危険を知る被爆地広島こそ、率先して再生可能エネルギーの「創出拠点」となるような政策を進めていただきますよう要望します。


5 障がいのある人の人権擁護のための条例の制定等について

次に、障がいのある人の人権擁護のための条例の制定等についてお伺いします。
アメリカの児童向け番組セサミストリートをご存知でしょうか。この番組では、人種も様々、障害のある子、車いすの子などが登場します。子供たちに、「心のバリアフリーを作ろうとする取り組みである」と私は解釈しています。しかし、残念ながら、日本ではこのような子供向け番組はありません。番組の有無が問題なのではありません。問題なのは、障害のある人を受け入れることができない社会の障壁です。進めなければならないのは、社会全体が本当のバリアフリーとなること、障害のある人を自然に受け入れることができるようになることではないでしょうか。
障害の有無にかかわらず、誰もが住み慣れた地域で互いに支え合う共生社会の実現は、大変重要な課題であります。近年では、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとするノーマライゼーションの広まりとともに、障害のある人が地域で暮らすための環境整備や福祉サービスは徐々に充実してきました。しかし、いまだに障害のある人が、誤解や偏見により、障害を理由に不利な扱いを受けたり、障害に対する配慮がないために、暮らしにくさを感じたりしている状況があります。その背景には、物理的障壁や意識上の障壁などのさまざまな社会的障壁があります。私たちは、差別をなくし、社会的障壁を除去する取組を促進し、共生社会を実現しなければなりません。こうした取組を地域社会に着実に根付かせ、次世代に引き継いでいくことをめざすべきであります。
こうした中、国においては、昨年8月に、障害者基本法の一部が改正されたところでありますが、その改正の主なものとしては、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、障害を理由として、差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならないことを法文上明記したことなどであります。
さらに、国では、障害者権利条約を平成19年に署名し、現在条約の批准に向けた準備や国内法の整備が進められています。この条約を批准するためには、現行の障害者基本法だけでは不十分で、いわゆる「障害を持つアメリカ人法」のように障害のある人への差別を具体的に禁じる法律が必要になるでしょう。こうした条約批准の動きに併行して、地方自治体でも障害者の権利を擁護する条例や差別の禁止などを明記した条例の制定が進んでいます。
例えば、2006年には千葉県、2009年には北海道、2010年には岩手県、2011年には熊本県とさいたま市で制定されています。
本県では、障害者虐待防止法の制定を受けて、障害者権利擁護センターの設置に向けた検討が開始されたところです。これも一歩前進ですが、根本的には障害のある人もない人も共に生きる地域社会をつくることをめざす県民意識の醸成が大切です。
そこで、私は、障害者基本法の目的にも規定されている、障害者の自立及び社会参加の支援のための施策を進めるとともに、本県においても、他の自治体に負けないような条例を作るなど、もっとその機運作りに積極的に取り組むべきと考えますが、知事のご所見を伺います。

(知事答弁)
本県では,平成24年度から3年間を計画期間といたします「第3期広島県障害福祉計画」を策定して,障害のある方が,分け隔てられることなく人格や個性が尊重され共生する社会の実現に向けて,更なる障害者の自立や社会参加の促進,県民が支える社会づくりのための施策を推進することとしております。
具体的には,来年度は,
・ 障害者の社会参加を図るため,生活訓練やコミュニケーション支援等を行う「障害者社会参加推進事業」,
・ また,障害者の地域生活の充実や就労確保のため,福祉・企業・地域等の結び付きを強める「あいサポートプロジェクト実施事業」,
・ また,県障害者権利擁護センターの運営や虐待防止の研修などを行う「障害者虐待防止・権利擁護推進事業」
などの拡充を図ることにより,地域で安心して生活できる環境整備に取り組むこととしております。
なお,障害のある方の人権擁護のための条例の制定につきましては,まずはだれもが暮らしやすい共生社会の実現に向けた施策を実施することとし,その成果を見極めて参りたいと考えておるところでございます。
今後とも,県といたしましては,障害者の皆様が個人として尊重され,障害を理由に差別されることのないよう,啓発に努めて参ります。


6 職業教育に重点を置いた指導を行う高等特別支援学校の設置について

次に、高等特別支援学校の設置についてお伺います。
平成20年7月に策定されました「広島県特別支援教育ビジョン」に基づき、生徒の職業的自立を促進するため、平成21年4月、知的障害特別支援学校高等部普通科に、職業コースが設置されました。設置校は、福山北特別支援学校と広島北特別支援学校の二校であり、教育活動全体を通した、職業観・勤労観の育成を図るとともに、職業的自立に必要な知識・技能の向上を目指すこととしています。
障害者の職業的自立は、本人のみならず、保護者の強い願いでもあります。このような職業コースができたことは評価します。しかし、入学定員は、広島北特別支援学校が2学級16人で、福山北特別支援学校がわずか1学級8人です。これに対して、ここ3か年の両校の職業コース入学者選抜状況を見ますと、福山北特別支援学校の21年度を除き、全て、入学定員を超える志願者がいるようです。この学校の志願者は通常の公立学校の志願者とは異なり、他に代替する学校がないのが現状であります。そうした中で、現状の定員数で、県内の教育的ニーズに十分対応できているのでしょうか。
先日、我が会派で、さいたま桜高等学園を視察してきました。高等特別支援学校としては、比較的規模の大きい方ではありますが、各学年80人の定員で、在籍者数は233人です。本県との差を感じざるを得ませんでした。また、一般就労率100%目指すという目標を掲げており、実際、昨年度は、就労希望者全員が就労したとのことでした。こうした学校ですから、入学希望者は大変多く、昨年の受験者は143人で、倍率は1・8倍でありました。そして何よりも、私が見た感じでは、この学校に通う生徒の皆さんは、本当に生き生きしており、意欲もあり、こうした環境があるということが、どれほど幸せかと思いました。
本県の特別支援学校高等部卒業者の就職率は、平成18年3月に9・8%であったのが、平成23年3月には25・0%と、5年連続して上昇しておりますが、さらに一歩進んで、生徒一人一人の特性や能力に応じた職業教育の充実が必要になってくると思います。
一方、近年では、特別支援学校の在籍者数が大きく増加しています。この10年で約1・7倍にも達しており、こうした傾向はこれからも続くであろうと予想されます。職業的自立をめざす教育のニーズは益々増大するに違いありません。
こうした将来の状況に対応するためには、職業教育に重点を置いた教育課程を編成し、就労支援機関や産業現場等との連携を図りながら、職業的自立を目指す、高等部単独の特別支援学校が必要となりますが、現在、22都道府県の55校で、職業教育に重点を置いた指導を行う高等特別支援学校が整備されております。中国地方では、既に、岡山県で、旧岡山高等技術専門校の施設を活用した岡山瀬戸高等支援学校、倉敷琴浦高等支援学校が開設され、県民の要請に応えています。
そこで、本県においても、こうした高等特別支援学校の設置を検討してはどうかと考えますが、教育長のご所見を伺います。

(教育長答弁)
本県においては,増加している特別支援学校の児童生徒の自立や社会参加を図るため,平成20年7月に策定いたしました「広島県特別支援教育ビジョン」に基づき,一人ひとりの教育ニーズに応じた指導の充実などに取り組んでいるところでございます。
具体的には,特別支援学校高等部卒業者の就職率の向上を図るため,作業学習などの授業改善を進めるとともに,就職を支援するジョブサポートティーチャーを増員して,職場実習の受け入れ企業や就職先企業の開拓などに取り組んで参りました。
こうした取組の結果,これまで全国平均を下回っていた就職率が,昨年度,全国平均を上回ったところでございます。
また,平成21年度に特別支援学校2校に設置した職業コースの生徒が,本年3月に初めて卒業することとなっており,現時点での就職内定率は93パーセントを超えているところでございます。
教育委員会といたしましては,今後,職業コース設置の効果の検証を進めるとともに,児童生徒数の推移や通学の利便性などを考慮しつつ,高等特別支援学校の設置について検討して参りたいと考えております。


7 教員のメンタルヘルス対策等について

(1)教員のメンタルヘルス対策の充実について
次に、教員のメンタルヘルス対策についてお伺いします。
うつ病などの精神疾患のため、2010年度に休職した本県の公立学校の教育職員は、前年度よりも7人増の179人で病気休職者の大半を占めています。千人当たりの休職者数は、9・0人と全国平均5・9人を大きく上回っています。本県は、2006年度から全国平均を上回り、精神疾患による休職教員の比率が高い状態が続いています。
事務作業の負担や生徒・保護者対応の悩みなどが理由であると分析されますが、教員のメンタルヘルスの問題は、教員個人の健康管理上の問題にとどまらず、児童生徒の学習や人格形成にも多大な影響を及ぼします。さらに、保護者や地域の学校教育そのものへの信頼を揺るがしかねない極めて深刻な課題です。
県教育委員会では、本年度、小中高等学校及び特別支援学校7校を教員の業務改善協力校に指定するなど、業務改善の取組を進めるほか、復職した教員の体験記や精神科医の助言を盛り込んだ啓発冊子を配布されています。こうした取組は、教員の負担軽減や復職支援の取組を強化するものとして評価できます。
私は、県内の多くの教員と交流をする中で、多忙で、なかなか精神科を受診できずに重症化してしまうケースにも出合いました。東京都教育委員会の調査では、精神疾患を理由とする休職者の実に3分の2が、病気休暇に入る直前まで精神科に行かずに、手遅れ受診となっていると報告されています。
うつ病などの精神疾患は、本人の自覚のないままに重篤化することが多いことから、心の病の自覚を促すための検査は重要な対策の一つです。鳥取県教育委員会では、2011年度から、県立学校において教員自らメンタル管理をしてもらうためアンケートによるストレスチェックを始めました。現在、本県では任意に取り入れることを奨励されているようですが、定期健康診断時にメンタルヘルスチェックシートを導入し、自覚を促すことも有効です。何より、早期発見、早期治療、早期回復が大事であります。本県でも、こうした取り組みを開始してはどうかと考えますが、教育長のご所見を伺います。

(教育長答弁)
メンタルヘルス対策におきましては,本人がメンタル不調を早期に自覚することや,周囲の職員が早期にその不調に気づくことが何よりも重要であると考えております。
このため,教育委員会では,メンタルヘルスチェックが職員のストレス度合いを把握するための有効な手段の一つとして,本年1月から,チェックシートをホームページに掲載し,セルフチェックを行うよう周知を図ったところでございます。
一方,国においても,メンタルヘルス対策を充実・強化するため,定期健康診断時に,医師等によるストレスチェックを事業者に義務付ける労働安全衛生法の改正案が審議されているところでございます。
教育委員会といたしましては,こうした国の動向を注視するとともに,今後,メンタルヘルスチェックシートを全職員に配布し,メンタル不調の早期発見に努め,医療機関での受診など,必要な対策につなげて参りたいと考えております。

(2)精神疾患による休職教員の復職支援プログラムの充実について
次に復職支援プログラムの充実についてでありますが、東京都では、精神疾患による休職者の円滑な職場復帰に向けて、関係者と連携しながら助言・指導をするとともに、再休職の防止を図るため、職場復帰のための「リワークプラザ東京」が、一昨年から開所され、多くの教員が訓練終了後、職場復帰をしています。このような教員のための職場復帰機関の設置は、全国で初めてであり、精神科医が、訓練の開始時および終了時に面接を行い、臨床心理士や校長OB等による復職アドバイザーが、個人に応じた訓練プログラムの作成や学校での授業参観を行うなど、職場復帰に向けて、きめ細かな支援が行われています。苦しい経験の後、再起を期し、職場復帰できたとこの喜びは、さぞかし大きいことでしょう。
本県でも、一応の復職支援プログラムはありますが、これは、最後の慣らし運転のようなものであり、職場の生活に慣れるためのリハビリテーションです。しかし、現実は、そこに至るまでには、本人にしかわからない葛藤が休職者にはあるようなのです。
また、休職開始時とその3か月毎に状況を把握し、助言等を行うとありますが、実態は、休職者は放置されている例が少なくありません。これでは、復職への不安を増大させ、復帰までの期間がより長くなってしまいます。
そこで提案ですが、東京都のように、復職支援プログラムに入る前に、本人の申請により、リワークのための研修を実施してはどうでしょうか。それは、既存の施設、例えば教育センターや他の研修施設でもかまいません。校長OBなどの復職アドバイザーを配置して、面接、相談に応じたり、職場復帰のための研修をピアカウンセリングのような形で行ったりするなど、新しい取り組みを開始してみてはどうかと考えますが、教育長のご所見をお伺いします。

(教育長答弁)
休職者が復職するための研修につきましては,現在,復職プログラムに参加する前の休職者を対象に,本人の希望により,公立学校共済組合中国中央病院と共同で,復職のためのトレーニング事業を実施しているところでございます。
この事業は,約3ヶ月間,週1回,中国中央病院におきまして,校長OB等の指導による模擬授業や臨床心理士による集団精神療法などを行うもので,参加者が相互に話を聞き合うことで,孤独感を緩和するとともに,他の人の体験談や意見から自己を振り返ることにより,再発を防止しようとするものでございます。
参加した職員からは,「似た境遇の職員が一緒に研修するため,共感できることが多く,自分一人ではないと思えた。」,「他の参加者の授業に生徒役として参加することにより,子どもの立場から授業を見ることができた。」などの感想が寄せられております。
教育委員会といたしましては,この事業は,円滑な職場復帰に効果的な取組と考えており,今後とも,事業の周知徹底を図ることにより,精神疾患で休職している職員が,自信をもって職場復帰できる環境の整備に努めて参ります。


8 県と広島市との二重行政解消について(要望)

最後に広島の二重行政解消について要望いたします。
1月25日、知事と広島市の松井市長との第3回目の会談が行われました。こうした合意は、県民や市民の利益に資するものと評価したいと思います。
今、大阪市の橋下徹市長たちが実現をめざす「大阪都」構想で、都道府県と政令指定都市の二重行政が注目されています。制度を変えて、県と市が一体化しても二重行政が自然になくなるわけではないと思います。県と市が住民目線でコミュニケーションを図り、二重行政解消に向けた施策を進めていくことが重要です。この合意で設置された研究会で、積極的に課題を洗い出すことになっていますが、重複実態の洗い出しは膨大な作業になると考えられます。
重複施設としては、他にもスポーツや文化、芸術関連、公立病院、団体では観光関連のものもありますし、施策では、国際交流、男女共同参画等々、県と市がそれぞれに取り組む仕事は多岐にわたります。今後、こうした二重行政の解消について、さらに検討が進められ、その内容が示されるものと思います。
そこで、お願いしたいのは、市民サービスの低下にならないようにということ、そして、県民、市民のためという観点から無駄排除の実をあげてほしいということです。今後は、県・市の連携が県民・市民のためになるという成果を期待します。


おわりに

「愛の反対は憎しみではなく、無関心」とは、マザー・テレサの有名な言葉です。初めて日本を訪れた彼女がこのように語っています。
「日本に来て、その繁栄ぶりに驚きました。日本人は物質的に本当に豊かな国です。しかし、町を歩いて気がついたのは、日本の多くの人は弱い人、貧しい人に 無関心です。物質的に貧しい人は他の貧しい人を助けます。精神的には大変豊かな人たちです。物質的に豊かな多くの人は他人に無関心です。精神的に貧しい人たちです。愛の反対は憎しみと思うかもしれませんが、実は無関心なのです。 憎む対象にすらならない無関心なのです。」不幸なことは、周囲が無関心でいることです。無関心で放置されている政治課題はたくさんあります。そこにかかわる人たちの苦悩も放置されているのです。
それを見つめていくのが私達の仕事でありますが、広島県に生まれて、住んでよかったと思える人が1人でも多く増えるように、「弱者に目を向ける政治の実現」のため、種々の施策、対策を講じていただくよう、要望して私からの質問を終わりにいたします。
ご清聴、誠にありがとうございました。